小さな子どもから大人までみんなが大好き、かまぼこ。最近ではキャラクターもののかまぼこや鮮やかな色付きかまぼこなど、さまざまな種類のかまぼこがありますよね。でも、沖縄で作られているかまぼこはもっとスゴイ!本土とはちょっと違う、沖縄のかまぼこって…?
みんな大好き「かまぼこ」が、沖縄ではちょっと違う…?
イサキやスケソウダラといった淡白な魚が原料となっている、かまぼこ。
一般的な「かまぼこ」といえば、かまぼこ板にくっついている半円状の、ピンクと白のあのかまぼこではないでしょうか。おつまみにも良し、お弁当にも良し、食卓のおかずの一品にも良し。
柔らかくて食べやすく、クセのない味が人気になっていますよね。では、ここ沖縄でかまぼこというとどのようなものがあるのでしょうか?
沖縄の揚げたかまぼこ=チキアギ
一般的なかまぼこは蒸して火を通したもので、表面に焼き色が付けられているタイプのものも、多くは蒸したかまぼこの表面だけに焼き目をつけたものだといいます。
蒸す、焼く、茹でるといった方法で作られますが、もうひとつ「揚げる」方法で作られるかまぼこもあります。
実は沖縄ではかまぼこと言えば、この揚げたかまぼこ。東日本で「さつま揚げ」と呼ばれている、アレです。
沖縄ではこの揚げたかまぼこのことを「チキアギ」といいます。このチキアギは沖縄でおなじみのチャンプルーをはじめ、そのまま食べられたりと日ごろからいろんな料理に使われている食材なんです。
さらに、沖縄のかまぼこは本土ではなかなか見つけることができないくらい、たくさんの種類があります。
沖縄の「チキアギ」と、鹿児島の「つけ揚げ(さつま揚げ)」
たまに、旅行者の方が沖縄のかまぼこをみて「さつま揚げのパクリ」だと話している場面に出くわすことがあります。
確かに、沖縄のかまぼこは、鹿児島名物として有名な「さつま揚げ(つけ揚げ)」とソックリなんですが・・・実はパクリではなく、さつま揚げ(つけ揚げ)のルーツは沖縄にあるんです。
約140年前(1864年頃)、薩摩と琉球との交流が深まり、 琉球から薩摩(鹿児島県串木野市)へと「チキアギ」が伝えられました。薩摩の方々は「チキアギ」を「つけ揚げ」と呼ぶようになり・・・全国に広まる過程で「さつま揚げ」など名称が変化していったと言われています。
種類が豊富な沖縄のかまぼこたち
見ているだけでおいしそうな、バリエーション豊かな沖縄のかまぼこをご紹介していきます!
ポピュラーなかまぼこ
ごぼうやにんじん入りのものがもっともポピュラーなタイプ。
棒かまぼこ(丸長かまぼこ、長棒かまぼことも)
シンプルなかまぼこの生地を棒状にしたもの。沖縄そばによくトッピングされている、プレーンタイプのかまぼこです。
紅白かまぼこ
お祝いの席で食べられる代表的なかまぼこ。
紅のかまぼこはビックリするくらいの赤!が特徴のかまぼこで、板にはついていません。沖縄のおめでたい席やシーミー(お墓参り)のときにお重につめてよく食べられます。
カステラかまぼこ
卵をたっぷりと使ったかまぼこ。
「カステラ」と呼ばれるそのかまぼこは、沖縄のおめでたいお祝い事や行事のときによく食べられます。
※商品の価格は記事作成時点の価格です。価格は変動する事が御座いますので、実際の価格はオンラインショップの商品詳細ページでご確認下さい。
さまざまな具材入りかまぼこ
フーチバー(よもぎ)入り、アーサー(あおさ)入り、もずく入り、ゴーヤー入りなどなど、ヘルシーで香り豊かな食材が混ぜ込まれているかまぼこ。
見た目はかまぼこと言うよりさつま揚げそのものですが、おつまみにもおやつにもピッタリのおいしさ。
バクダンかまぼこ(バクダン、バクダンおにぎりとも)
真ん丸なかまぼこの中には、なんとごはんが!
具材は、鮭やうめ、味噌、ジューシー(炊き込みご飯)などの種類があり、これひとつでお腹も大満足!テレビでもよく取り上げられていて、大人気のかまぼこです。また、卵がまるまるひとつ入っているタイプのバクダンも人気です。かまぼこの甘みと、鮭の塩気が合うので、意外に癖になる味です。
沖縄かまぼこの特徴
沖縄のかまぼこはお祝いごとや行事などでよく食べられるといいました。そのとき、よく目にするのが重箱にキッチキチに詰められているおかずたち。
かまぼこもこのおかずの一員なのですが、重箱にきちっときれいに詰められることを前提にしているので、とにかくかまぼこのサイズが大きいのが特徴です。本土のかまぼこの約3倍はあるでしょうか、ボリュームのある沖縄のかまぼこは重箱に詰めたときにも見栄えよく、おいしくいただくことができるんです。
沖縄かまぼこは本土のかまぼこと同じくスケソウダラのすり身が使われているものが多いのですが、小さな製造所などでは「グルクン」など沖縄で捕れる魚を使っているところも。ほかにもミーバイや真っ青なイラブチャーなどの魚もおいしいと言われています!
内祝いに!?鯛の形をしたかまぼこも・・・
本土では内祝いとして、鯛の形をした蒲鉾をお返しする地域があります。
沖縄でも昔からその風習があり、鯛の形をした蒲鉾が販売されています。こちらはスーパーなどでは販売しておらず、那覇の公設市場などで注文して購入することができます。
最近では、この蒲鉾を内祝いで使う方も減ってきているようですが・・・昔からの風習を大事にされているご家庭では今も、鯛の形をした蒲鉾をお返ししているのだそうです。
沖縄のかまぼこは色々な料理に合う!
ソーキそばのトッピングや味噌汁によく入っている沖縄のかまぼこですが、一工夫するとさらにおいしくいただくことができます。
- チャンプルー
味もしっかりしているかまぼこを一口サイズに切ったら、チャンプルーに。ふわふわの卵と野菜たちと絡みあい、絶妙な味わいに!
- 味噌汁
これは簡単にできますね。沖縄のかまぼこは揚げているので、ほどよい油分と魚の風味が引き立って、いつものお味噌汁をよりおいしくいただくことができます!
- おつまみ
かまぼこを炙ったり焼いたりしてから、そのままマヨネーズをつけて。このマヨネーズでも、わさびマヨ・しょうゆマヨ・七味マヨなどバリエーションを増やすと簡単なのにしっかりおつまみに。
また、焼いたかまぼこにかつおぶしやお醤油をたらして香ばしくするのもオススメです。オリオンビールはもちろん、泡盛にもバッチリ合います!
- おでん
言わずもがな、おでんの具にしても最高!じゅわっとダシがあふれ出す、たまらない一品になります。
いかがでしたか?見ているだけでおなかがすいてきそうですね…。
沖縄を訪れた際に、スーパーはもちろんですが製造・直売所などをぜひ訪れてみてください。できたてのものが食べられたり、作っている工程を見ることができるかもしれません。かまぼこの専門店としては国際通りに面している平和通りもにも多数の店舗があります。
那覇の公設市場では試食をさせてくれるお店もあるので、ぜひ一度は食べてみてくださいね♪
沖縄のかまぼこ(チキアギ)は、つけ揚げ(さつま揚げ)のパクリではなく、ルーツだという事を覚えておいてくださいね♪