日本を代表するエンターテイメント企業・吉本興業が、2018年4月に那覇市で「沖縄ラフ&ピース専門学校」を開校することが発表されました。「あそぶガッコ」がテーマというこの専門学校。いったいどんなことを勉強するのでしょうか?詳しくご紹介していきたいと思います。
吉本興業の学校といえばNSCとYCC
吉本興業の学校といえば、沖縄県那覇市で開校する沖縄ラフ&ピース専門学校とは別に、NSCとYCCがあります。
テレビをよく見ているという方であれば、「NSC」という言葉を耳にする機会も多いかと思いますが、「YCC」は聞いたことがないという方も中にはいらっしゃるのではないでしょうか?NSCとYCC、それぞれの学校についてもご紹介しておきたいと思います。
吉本興業の芸人養成学校・NSCってどんなとこ?
吉本興業のNSCは、正式名称を「吉本総合芸能学院」といいます。NSCは、吉本総合芸能学院の通称で、「New Star Creation(ニュー・スター・クリエイション)」の頭文字をとっています。
NSCは、主に新人タレントを育成する目的で作られた、タレント養成学校です。ちなみに、NSCの入学資格は中学校卒業(見込み)以上となっています。
NSC出身の有名芸人は?
NSCの第一期生には、ダウンタウンさん、ハイヒールさん、トミーズさん、内場勝則さんなどがいる事でも有名です。第一期生以外にも、NSC出身の有名タレントはたくさんおり・・・、大阪校だけでもこれだけ有名な芸人がいるんです。
- 今田耕司(4期生)
- 雨上がり決死隊(7期生)
- 千原兄弟(8期生)
- FUJIWARA(8期生)
- ナインティナイン(9期生)
- 宮川大輔(9期生)
- 矢野・兵頭(9期生)
- 中川家(11期生)
- 陣内智則(11期生)
- たむらけんじ(11期生)
- ケンドーコバヤシ(11期生)
- 小藪知豊(12期生)
- ブラックマヨネーズ(13期生)
- 次長課長(13期生)
- 野生爆弾(13期生)
- フットボールアワー(14期生)
- 麒麟(20期生)
- 山里亮太(22期生)
- 友近(23期生)
- かまいたち(26期生) etc…
これだけ挙げても、まだまだ紹介しきれていない有名芸人さんが沢山いるんです。有名芸人になるための「登竜門」と言っても過言ではない、プロのエンターテイナーを育てる為に力を入れている学校と言えます。
今、NSCは全国で何校ある?
日本国内にあるNSCは、東京校・大阪校・沖縄校の3つに加え、2017年からは、NSCジュニア校(東京・大阪)が加わりました。
NSCジュニア校は、芸人の育成だけではなく、「こどもタレント」を育てる為の学校でもあります。
吉本興業のYCCってどんなとこ?
吉本興業のYCCは、正式名称をよしもとクリエイティブカレッジ(YCC)といいます。
新人タレントの発掘や育成を行うNSCとは別に、エンターテイメントにかかわるあらゆる分野において活躍することができる専門学校として、2008年に誕生しました。現在、東京都千代田区にある東京校と、大阪市中央区にある大阪校の2校があります。
YCCではどんなことを学ぶの?
YCCでは、総合コースと総合作家コースの2つがあります。
- 総合コース
- テレビ・映像制作、デジタルコンテンツ制作、イベント制作の現場で活躍できる人材を目指します。
- 構成作家コース
- 企画書の作り方や脚本・シナリオ執筆、漫才・コントなどのお笑い台本の作り方やネタ作りの実習などを学びます。
本題の沖縄ラフ&ピース専門学校についてご紹介
引用:沖縄ラフ&ピース専門学校
沖縄発の認可校として2018年4月に開校する、吉本興業のエンタメ総合専門学「沖縄ラフ&ピース専門学校」。
2017年10月に東京都内で行われた会見では、有名大物芸人らも出席したことで注目を集めましたが、それ以外にも様々な点が注目されました。
沖縄ラフ&ピース専門学校の学科について
沖縄ラフ&ピース専門学校の学科は、大きく3つに分けられます。
- クリエイティブ学科
- パフォーミングアーツ学科
- 文化教養専門課程
「クリエイティブ学科」「パフォーミングアーツ学科」に関しては、更に細かく分けられます。
- クリエイティブ学科
- 【マンガコース】マンガづくりの実践的なノウハウなどを学ぶことが出来るコース【CG・アニメコース】アニメーションクリエイターの養成を目指すコース
- パフォーミングアーツ学科
- 【パフォーマーコース】ダンス・歌唱・演技・声優を育成するコース【プロダクションコース】音響・照明・舞台・美術・映像制作・衣装・メイクなど、舞台やライブ(エンターテインメント)に欠かすことのできない演出技法や制作技法を学ぶコース
各学科、個性豊かなカリキュラムが組まれているので、2年間しっかりと興味のある分野について学ぶことが出来ます。そして、沖縄ラフ&ピース専門学校の注目すべき点は、4つのコースが連携するという事!
引用:沖縄ラフ&ピース専門学校
各コース、それぞれで学んで完結するのではなく4つのコースが連携するのが素晴らしいところ!
例えば、マンガ科コースの生徒が書いた漫画を、CG・アニメコースの生徒がアニメ科し、その後 パフォーマーコースが声優を務め、プロダクションコースが音響などを担当し、4つのコースで1つの作品を生み出すという実践的な過程も学ぶことが出来るんです。
この例は、ほんの一部で、クリエイティブ学科が作成したマンガやアニメを実写化したり、舞台化したりする案もあるようです。
入学に試験は、ありません
沖縄県内にも様々な専門学校がありますが、やはり何らかの入学試験が行われるのが通例でした。その常識を覆してきたのが、沖縄ラフ&ピース専門学校。
2017年10月に行われた会見の席で説明された「入学手続きについて」の資料は、はっきりと「入学に試験は、ありません」と書かれています。しかも、手続きには、学校側が定めた所定の入学願書に名前を書くだけ。もちろん、インターネットでの出願もできます。
ただし、定員が1学年80人となっているため、定員になり次第、締め切りとなるそうです。
ただし、入学資格はあります
沖縄ラフ&ピース専門学校に入学試験はありませんが、入学資格はあります。入学資格は、次に挙げた項目の中から1項目を満たしていることとしています。
- 高等学校卒業(卒業見込みを含む)以上である
- 文部科学省高等学校卒業程度認定試験(旧・大学入学資格検定)の合格(見込みを含む)者である
- 専修学校高等課程(大学入学資格付与校3年家庭)の卒業(見込みを含む)者である
- 高等専門学校の3年以上の修了(見込みを含む)者である
- 文部科学大臣が高等学校の課程と同等の課程を有するものと認定した在外教育施設の当該課程を修了している
初年度の学費は?
沖縄ラフ&ピース専門学校では、入学金と諸費用を合わせた初年度の学費が100万円となっています。
2年次については、授業料や諸費用を合わせて90万円となっています。今後、奨学金制度の導入などを検討していくそうです。
学校の場所はどこなの?
沖縄ラフ&ピース専門学校は、国際通りの松尾交差点から2~3分という人気のエリアに建設が予定されています。公式ホームページには、
毎年4月に行われる「島ぜんぶでおーきな祭」のレッドカーペット会場でもあり、エンターテインメントを肌で実感できる環境
引用:沖縄ラフ&ピース専門学校
という記載があるので、もしかすると何らかの形でイベントに参加したり、イベント運営のお手伝いをすることもあるのかもしれません。
沖縄ラフ&ピース専門学校の講師陣が凄い!
沖縄ラフ&ピース専門学校は、クリエイティブ学科とパフォーミングアーツ学科の2学科が設置されます。いずれも、2年生となっています。
クリエイティブ学科(定員40名)
クリエイティブ学科にいは、「マンガコース」「SG・アニメコース」があります。講師には、堀江信彦氏や古賀俊輔氏らが務めます。
堀江信彦さんってどんな人?
堀江信彦さんは、1955年生まれの雑誌編集者であり実業家です。熊本県立隈本高等学校、早稲田大学法学部を卒業しています。大学卒業後は、集英社に入社し、「週刊少年ジャンプ」編集部に配属され、1993年に同市の5代目編集長に就任しました。
その後、「メンズノンノ」編集長や「BART」編集長をつとめ、2000年に集英社を退社し、株式会社コアミックスを設立しています。
古賀俊輔さんってどんな人?
吉本興業所属の又吉直樹さんの作品「火花」の映画化において、統括プロデューサーを務めたのが、古賀俊輔さんです。
映像プロデューサーとして活躍している古賀俊輔さんは、現在、株式会社ザフールの代表を務めています。最近では有村架純さんと松本潤さんが出演して話題となった映画「ナラタージュ」も、古賀俊輔さんがプロデューサーを務めている作品です。
パフォーミングアーツ学科(定員40名)
パフォーミングアーツ学科では、「パフォーマーコース」「プロダクションコース」があります。講師には、ヒルトン・バトル氏やマシ・オカ氏らが務めます。
ヒルトン・バトルさんってどんな人?
ヒルトン・バトルさんは、ブロードウェイ伝説のダンサーであり、世界的にも有名な振付師・シンガーでもあります。9歳のころよりバレーを始めたヒルトン・バトルさんは、1975年、1981年、1984年、1991年にはトニー賞助演男優賞を受賞しています。
そんな世界的にも有名なヒルトン・バトルさんは、1987年「なんばグランド花月」の杮落しとして上映された『アメリカン・バラエティ・バン!』で主演を務めました。その後2013年には、26年ぶりに『ヒルトン・バトルのアメリカン・バラエティ・バン!』として再演。この舞台でヒルトン・バトルさんは主演だけでなく、振り付け、演出、脚本まで担当しています。
マシ・オカさんってどんな人?
マシ・オカさんの本名は、岡政偉(おか・まさより)です。1974年生まれのマシ・オカさんは、東京都渋谷区出身。幼少期にすでにIQが189あったため、天才児と認定されたマシ・オカさんは、6歳でアメリカに移住します。
マシ・オカさんは、世界の超名門大学であるハーバード大学やマサチューセッツ工科大学にも合格していたにもかかわらず、あえて、個性を尊重する学風を持つブラウン大学へ進学。ここで、数学とコンピューターサイエンスを専攻します。
卒業後は、ジョージ・ルーカス氏の特殊効果制作会社に就職し、デジタル視覚アーティストとして、映画の最前線で活躍。そんなマシ・オカさんは、全米で大ヒットしたドラマ『HEROES』で俳優として登場しています。このドラマのおかげでマシ・オカさんは、俳優として日本でも一躍有名になりました。
長崎行男さんってどんな人?
長年、音響監督を務めている長崎行男さんは、アニメやゲーム、アーティストの音楽をプロデュースしています。
主に、アニメやゲームの音響を手掛ける事が多いそうで、「シティーハンター」や「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」、「ONE PIECE “3D2Y” エースの死を越えて! ルフィ仲間との誓い(音響ディレクター)」・「ONE PIECE エピソードオブルフィ ~ハンドアイランドの冒険~」、「名探偵コナン」、ここ数年爆発的に人気になった「ラブライブ!」なども手掛けている凄い方なんです。
個性豊かな沖縄ラフ&ピース専門学校に期待!
沖縄県には、今まで様々な事を学ぶことが出来る専門学校は多くありましたが・・・、最高の環境・設備を整え、最高の講師陣を迎えた、エンターテインメントを全力で学ぶことが出来る学校は沖縄ラフ&ピース専門学校が初です。
エンターテイナーだけでなく、テレビやイベントなどを支える裏方さんのお仕事を学ぶことが出来たり、マンガ家さんやCG・アニメを学ぶことが出来たりと・・・本当に個性豊かな学校となっています。こちらで学んだ生徒さん達が、沖縄で・・・日本で・・・世界で活躍する姿を見るのが待ち遠しいです。
私が進路を考えている時に開校していたら、パフォーミングアーツ学科(プロダクションコース)で、イベントやライブなどの裏方さんのお仕事を学んでみたかったな・・・。今の若者は、学べることが豊富にあって羨ましいです!(笑)
NSCはタレントを育成する為の学校、YCCはタレントさんを支えたり、テレビ制作に携わる人を育てる為の学校・・・という事です。どちらも吉本興業の学校である事には変わりありませんが、どの分野で活躍したいかで、通う学校が変わってくるんです。