沖縄のスーパーや駄菓子屋に行くと、必ずあるのが塩せんべい。せんべいという名前がついているにもかかわらず、いわゆる「お煎餅」とは見た目も味も全く違う塩せんべい。その魅力とは?
そもそも塩せんべいってなんだ?
お米を原料にしてこんがりと焼き上げるのが、一般的なお煎餅。・・・ところが、沖縄で定番の塩せんべいは、そもそもこの時点から一般的な煎餅とは異なります。
まず、塩せんべいは、お米からは作りません。小麦粉に、植物油・水・でんぷんを加えたものが原料となります。
しかも、これを丸い型に入れてプレスして焼き上げるのが、塩せんべいの焼き方。そのため、外側は固いのですが、中は思ったよりもサクッとしています。
味の基本は塩のみ
小麦粉をベースにした生地を丸型に入れてプレスしただけの塩せんべいは、焼きあがると塩だけをまぶすのがオーソドックスなスタイルです。
10枚1袋が基本なのですが、塩をまぶしただけですので、正直言うと、塩味が一つひとつまばらです。
袋の下の方は、たんまりと塩が残っているので味がしっかりしているのですが、中央部分や上の方は、まぶした塩が少し剥げていたりするので、意外と味が薄いところも…。でも、この味のばらつきすらも、塩せんべいの味なのです。
駄菓子屋ではチョコレートをつけるのが定番
沖縄では、小さな子どもたちにも人気がある塩せんべい。そのため、公園脇などにある小さな駄菓子屋をのぞくと、そこにもちゃんと塩せんべいが置かれています。
でも、子どもたちに人気があるのは、チョコレートをつけて食べる甘じょっばい塩せんべい。3枚セットでチョコペンがついているのが定番で、丸い塩せんべいの上に、チョコペンで絵を描きながら食べるのがちょっとした贅沢です。
大人になると駄菓子屋に行く回数も減るため、塩せんべい&チョコの組み合わせからは遠のいてしまうウチナンチュですが、チョコの甘さと粗塩のなんとも言えないコントラストが懐かしく、見かけるとつい買ってしまう人も少なくありません。
塩せんべいの定番メーカーといえば…
シンプルゆえに、作り手の想いが商品の特徴に出やすいというのが、沖縄の塩せんべいの魅力の一つです。
沖縄本島内で有名な塩せんべいメーカーといえば、「新垣屋」「丸眞(マルシン)」「サンシオ」が挙げられます。
この中で、小型サイズの塩せんべいを作っているのが、丸眞(マルシン)です。丸眞(マルシン)では、通常サイズの塩せんべいとは別に、ミニサイズの「チビまる」を販売しています。直径が小さくなるので、どちらかというと少し硬めになりますが、食べやすいサイズであることと、しっかりとした塩味が特徴なので、お茶と併せて食べるのがおすすめ!
ちなみに、サンシオの塩せんべいは、他と比べると厚みが薄いのが特徴で、おちょぼ口の女子にも難なく食べられるところがウケています。
塩せんべいには塩味以外もある
シンプルに塩をまぶすだけなのがスタンダードな塩せんべいですが、実は、塩以外の味のせんべいもあります。
人気があるのは、梅味の塩せんべいと海老味の塩せんべい。ただし、あまりにもシンプルな作り方の塩せんべいなので、味が変わるだけで全く別物に変身してしまうのがちょっとした注意すべきところです。
そのためな、純粋に塩せんべいが好きという人に別バージョンを食べさせると、「これは塩せんべいじゃない!」と議論になることも・・・。
壊れ塩せんべいは安い!
最近は、味は同じなのに値段が安い、いわゆる「訳あり商品」が人気ですよね?そのブームは、塩せんべい界にもちゃんとやってきています。
塩せんべいの場合は、すでにれっきとした商品になっていて、これが、一般的な塩せんべいよりも安くて量が多いと人気!しかも、形が崩れてしまっている部分に、なぜか塩が多めにまぶされていたりして、ちょっとしたお得感もあります。
ちなみに、地元客でにぎわうスーパーなどでは、大抵どこにでも置いていますので、まだ食べたことがない人は、一度是非お試しを!
塩せんべいの耳で作った柔らかいお菓子もある
塩せんべいは、丸い方に生地を流し込んでプレスして作る、沖縄ならではのお菓子です。このプレスした時に、型からはみ出てしまった耳の部分を使って作られたのが、「天使のはね」というお菓子です。
実はこのお菓子は、咬んでも音がしないお菓子。「これが塩せんべいなのか?」と思いたくなるほど柔らかく、乳幼児でも食べることが出来るフワフワのお菓子です。しかも、程よい塩加減なので、子供のおやつにちょうど良い味付け!
ただし、あくまでも「天使のはね」は、塩せんべいとは違うと思ってほしい!同じものだと思って食べてみると、あまりの違いに必ずショックを受けます。
とはいえ、全く別のものだと思えば、これはこれで美味しいですから、新しいものが好きな人にはおすすめです。
せっかくなら塩せんべいをお取り寄せしてしまおう!
一度食べると病みつきになってしまう塩せんべいは、インターネットなどでも手に入れることが出来ます。
まだ沖縄に来たことがないけれど、塩せんべいだけは今すぐ食べてみたいという人はぜひどうぞ!