なんとなく開放的な気分が漂う沖縄では、男女が恋愛モードに突入するのも普通以上に速いみたい…。だからなのか一歩離れたところから地元沖縄の男女の恋愛模様を見ていると、ちょっと変わった事情が見えてきます。
長男はモテにくい!?
本州では長男の男性の方が「頼りがいがある」「包容力がある」といわれて人気があるようですが、沖縄では長男の方がモテない傾向にあるようです。
結婚を意識するような年齢ではない学生恋愛においては全く関係のないことなのですが、結婚適齢期の男女において「長男」ということは最大のデメリットと考えている方もいます。
たとえお金持ちであってもイケメンであっても、「長男である」というだけで周囲だけでなく親きょうだいからも反対されることがあるのが、沖縄ならではの恋愛事情。
「まさかそんなはずはないでしょ?」と私も思っていましたが、長く移住しているとその意味が分かります。
長男と結婚するととにかく大変な沖縄
恋愛期間も長くなれば、自然と「結婚」の話が出てきます。でも長男の場合は「結婚」そのものが恋愛において大きなハードルになります。
そもそも長男の嫁になったら大変なのが沖縄。
一族の祖先を祀った大事な仏壇を引き継ぐことになるのが長男ですから、長男である沖縄男性と付き合い「長男嫁」となれば、仏壇に関わる仕事にも関わっていかなければならなくなります。しかも沖縄の仏壇に関する行事は、盆と正月だけ見ても本州とは比べ物にならないほど大変です。
もともと親族とのつながりを大切にする沖縄ですから、節目となる行事には一族全員が長男宅に集まるという事が多くあります。
ですからその準備はもちろん長男嫁の仕事になります。ただでさえ集まる一族の人数が桁外れですから、その準備ともなれば時間もかかりますがお金もかかります。
さらにもっと大変なのが、沖縄の年間行事は盆と正月だけではないということです。
沖縄の一般的な家庭では、台所に一家の女性の神さまである「ヒヌカン(火の神)」があります。ヒヌカンに関することは男性には関われませんから、これも長男嫁の仕事になります。
しかも親戚が多いということは、冠婚葬祭に出席する数も多くなるということです。そして沖縄では結婚式よりもお葬式やそれにかかわる法事や供養に参加する方が圧倒的に多く、どんなに若くても長男の嫁であれば、参加するだけでなく手伝いもしていかなければいけません。
中には長男でも仏壇を相続する必要がない方もいますし、恋に落ちてしまえばそんなこと関係ないのかもしれませんね。
好きになったら結婚、嫌いになったら離婚
沖縄に移住してみて思ったのが、「恋愛から結婚までのスピードが速い!」ということです。
授かり婚が多いということもあるのでしょうが、「たまたまできちゃった」というよりも「ほぼ確信犯」という印象です。
私の友人も授かり婚カップルが多いのですが、交際期間から結婚に至るまでの期間が本州ではちょっと考えられないほど短い…。その原因と思われるのが「好きになったら結婚」というものすごくストレートな思考にあるようです。
もう少しかみ砕いて説明すると、「好きになったんだから結婚するのは当たり前」から「結婚するなら子供が出来て当たり前」に変化し、最終的に授かり婚 となるようです。
この考え方は沖縄のおおらかさを表しているようで微笑ましいのですが、残念なことに「嫌いになったら離婚する」という考えもセットになっているようです。
積極的な女性が多い
ストレートな言葉で猛烈にアプローチしてくるイメージが強い沖縄の男性。でも実際にはこのイメージは逆で、男性は受け身な人も多く、それに対して女性の方が驚くほど恋愛に対して積極的・・・というパターンが多いんです。
そもそも沖縄では、昔から女性が家計を支えるために外で一生懸命働くことが一般的でした。そのため本州と比べると女性たちの中に「男女同権」の意識が強く根付いています。
とはいえ現実社会では、男性優位の沖縄。生き抜いていくためには、女性が男性並みにたくましくなければやっていけません。
社会に出て仕事をする女性の数が多くなるほど沖縄の女性はたくましくなり、そのDNAが受け継がれた今でも沖縄女性の基本的な性格に「明るく・積極的な行動・思考」が加わってきたようです。
…と長々と難しく解説してしまいましたが、簡単に言ってしまえば「沖縄では女性のほうが恋愛をリードする傾向にある」という一言に尽きます。
交際のきっかけがハッキリしないことが多い
交際中の沖縄出身の友人に「彼(彼女)と付き合ったきっかけは?」ときいてみると、「いつの間にかに付き合っていた」というのがかなり多いです。
沖縄に観光客として訪れると「出会いが多いな!」と感じるかもしれませんが、実際に沖縄で生まれ育った地元人にとってはそんな特別な環境だと感じることはほとんどありません。
もともと地元愛が強い沖縄は、生まれ育った地域を中心に成長していくのが一般的です。
小・中学・高校時代の交友関係が成人後の交友関係の基礎となっていることがほとんどなので、成人式も卒業した中学校単位で行うことも珍しくありません。
就職を機に沖縄を離れる人も増えましたが、まだまだ地元企業での就職も人気がありますから、一生涯の友人が幼馴染または同級生ということもよくあります。
このような事情が背景にあるからなのか、付き合い始めたきっかけも自然な流れで始まるというのが多いのです。
運命的な出会いで始まる恋愛よりも、身近な友人から始まる恋愛の方が多い沖縄。
これも移住して身近な地元の友人の恋愛模様を観察したことで初めて分かった、移住者目線と沖縄の恋愛事情の大きな違いでした。