気温が高くなると怖いのが食中毒ですが、沖縄では鶏肉が関係するカンピロバクター食中毒というものが増加しています。
今回は聞きなれない この食中毒の発生源や感染経路、感染した場合の対処法をまとめてみました。
カンピロバクター食中毒って何?原因は?
沖縄県内で増加しているカンピロバクター食中毒は、主に生食・半生食・加熱不足の鶏肉料理で起こっています。
食中毒の原因となるカンピロバクターは、ニワトリのほかにもウシの腸管内にもいるのですが、沖縄県内では鶏肉から かなり高い割合で見つかっています。
もちろん、鶏肉による食中毒はカンピロバクターのほかにもサルモネラ菌などがありますが、調理の際に加熱処理をしても十分に中まで火が通っていないと感染してしまう可能性が高くなります。
カンピロバクター食中毒の主な症状
カンピロバクター食中毒の主な症状は下痢、発熱、頭痛、腹痛、嘔吐、倦怠感などです。
死に至るような重篤な症状を引き起こすことは少ないのですが、重症になると腸炎、敗血症、関節炎、髄膜炎などを引き起こすこともあります。
さらに、感染し数週間してから痙攣や手のしびれなどが起ることもあります。この場合はギラン・バレー症候群を発症している可能性が考えられます。
カンピロバクター食中毒の潜伏期間
カンピロバクター食中毒は、早ければ感染から1日で症状が現れます。
潜伏期間は7日間と長いことも、カンピロバクター食中毒の特徴です。
カンピロバクター食中毒の主な治療法
カンピロバクター食中毒は、死に至るような重篤な症状が起ることはあまりありません。症状が現れても2~5日程度で回復しますので、基本的には自然治癒します。
ただし、重篤な症状が現れた場合には、対処療法と投薬治療が必要になります。
この場合に使われる薬剤にはマクロライド系の抗生物質やホスミシン、ゲンタマイシンなどがあります。
カンピロバクター食中毒を防ぐ調理時の注意点
カンピロバクターは、スーパーなどで市販されている鶏肉からも高い割合で発見されています。ですから家庭で感染を予防するためには、十分に加熱をしてから食べるということがポイントになります。
さらに、調理道具にも注意が必要です。
例えば鶏肉をのせた まな板をきれいに洗わないまま別の食材をのせてしまうと、鶏肉についていたカンピロバクターが全く別の食材にもうつってしまう可能性があります。
また、鶏肉に触った手を洗わないまま別の食材をつかんだ時にも、同じような状況が起ります。
ですから、鶏肉の調理に使った調理器具はきちんと洗ってから別の食材の調理に使うことや、鶏肉を触った手はきちんと洗うなどもカンピロバクター食中毒を予防する効果的な方法といわれています。
外食をする時にも注意が必要!
新鮮な鶏肉だと鶏刺しや鶏のたたき、鶏わさなどのメニューで提供されることがありますが、食鳥処理された鶏肉からもカンピロバクターは見つかっています。
しかも、その割合は135件中67.4%(厚生労働省科学研究報告「食品製造の高度衛生管理に関する研究」より抜粋)と非常に高いです。
それだけに、新鮮な鶏肉であってもこうしたメニューの場合には「生食用」とされている鶏肉でなければ、カンピロバクター食中毒にかかる可能性もあります。
さらに、焼き鳥なども新鮮な鶏肉だからといって中まで十分に火が通っていないと、感染の可能性が出てきます。
特に鶏レバーはカンピロバクターが見つかりやすいですので、十分に火が通っていない場合は感染してしまう可能性があります。
ですから、カンピロバクター食中毒から身を守るためには「生食・半生食は避ける」「中まで十分に火が通っているか確認する」の2つが重要になります。
【まとめ】ほんの少しの注意で防ぐことができる
カンピロバクター食中毒は、細菌性食中毒の年間発生率の中で約6割を占める身近な食中毒です。中でも、沖縄では鶏肉による発生率が増加しています。
でもカンピロバクター食中毒は、普段の調理や食べ方に注意するだけでかなりの割合で防ぐことができます。
特に、気温が高くなるとカンピロバクター以外の食中毒も増加しますので、安心して食事を楽しむためにも日頃からちょっとした注意を心がけることが大事ですよ。
沖縄県民は、ビーチパーティーが大好きなので、BBQでの食材の扱いにも充分注意しましょうね!