夏の沖縄旅行での楽しみの一つと言えば・・・マリンスポーツですよね!そんなマリンスポーツの中でも比較的に手軽に行えるシュノーケリングは昔から人気です。それと同時に、沖縄に住んでいる私たちは毎年シュノーケリングによって観光で来られた方が亡くなってしまった・・・という悲しいニュースを目にしています。せっかくの旅行を悲しいものにしない為に、死亡事故が絶えないシュノーケリングについて学んでいきましょう!
シュノーケリングによって多くの命が失われている事実
毎年多くの観光客や地元の方が青い海でシュノーケリングを楽しむ為に沖縄の海へ集ってきます。
透き通った海に珊瑚礁、小魚たちに囲まれて、海の中は竜宮城へ続く道のような幻想的な世界が広がっています。そんな中、毎年シュノーケリングでは死亡事故が発生しています。なぜシュノーケリング事故が後を絶たないのでしょうか。その原因や対策についてまとめたいと思います。
シュノーケリング事故の件数
観光で沖縄に来られた方は、海水浴やダイビングなど様々なマリンアクティビティを楽しむ方が多くいらっしゃいますが、その中で最も死亡事故が多いのはシュノーケリングだという事はご存知でしょうか?毎年観光で来られた方がシュノーケリング中に何らかのトラブルがが発生し・・・死亡事故へとつながっています。
2014年のデータで見ると、海水浴中の事故は6件発生し、内3名の方が亡くなられています。それに対し、シュノーケリングによる事故は12件発生、内8名の方が亡くなられています。このデータは、沖縄県民や基地に勤務されているアメリカ人の数を省いた、観光客のみのデータです。
シュノーケリングは子供から年配の方まで幅広い層が気軽に楽しめるマリンスポーツです。誰もが道具さえ揃えば気軽に始められることから、危険という認識が薄れてしまいがちです。
手軽に楽しめるからこそ、使い方やもしもの時の対処法を学んでおく必要があると言えます。
シュノーケリング中に事故が起こる原因とは?
シュノーケリング中に事故が起きてしまう原因はいくつかあります。
パニック
事故の原因で多いのはパニックです。パニックにもいろいろあり最も多いのが以下のパニックだと言われています。
- シュノーケリング中に足が痙攣してしまった
- ハブクラゲなどの危険生物に刺されてしまった
- マスクの中に海水が入ってきて慌ててしまい海水を誤飲してしまった
- シュノーケルの筒の中の海水をうまく外に出すことができずに海水を誤飲してしまった
- フィンをうまく使いこなすことが出来ずに溺れてしまう etc…
などが原因としてあげられます。シュノーケリングの道具をうまく使いこなせなかったり、予期していない事が起こりパニックになってしまう・・・という事がほとんどなんです。シュノーケリングを行う際は、道具の正しい使い方を理解し、もしもの事が起きてしまった場合どのように対応すべきなのかをしっかり学ぶことが大切です。
体調が万全でない
中には体調が優れない(万全ではない)状態の時にシュノーケリングをして、事故にあってしまう方がいらっしゃいます。その中には、お酒を飲んで酔っ払った状態でシュノーケリングをしてしまう人も・・・。
そんな状態でシュノーケリングや海水浴を楽しめるわけがありません。それどころか、その軽率な行為で自らの命を落としかねません。「この機会を逃すと一生体験出来ない」というものでもないので、体調がすぐれない場合は次回の旅行のお楽しみとして取っておくようにしましょう。
リーフカレント(離岸流)
リーフカウント(離岸流)に巻き込まれてしまうこともあります。離岸流とは、字を見てわかるように岸から離れて沖へ早い速度で流されていってしまう潮の流れのことです。
波は沖から海岸へ打ち寄せられます。そうすると岸に海水がどんどんたまってしまうので、どこからか沖に戻ろうとします。この潮の流れを離岸流といいます。
離岸流が発生しやすい場所は、近くに防波堤や防潮堤などの人工構造物があるところや、珊瑚礁に囲まれた島・・・まさに沖縄の海岸は離岸流が発生しやすい場所となっているんです。
離岸流の流れは1秒間で2m進むこともあり、その速さはトップスイマーの速度に匹敵する程。どんなに泳ぎに自信があったとしてもパニックになってしまい体力を使い果たして溺れてしまうというケースもあります。
もしも、すごい勢いで流されてしまう離岸流に紛れ込んでしまったら、パニックにならないよう慌てず落ち着いて、砂浜に向かって泳ぐのではなく、砂浜と平行(横)に向かって泳ぎましょう。離岸流の中を、砂浜へ向かって泳いでしまうと、どんなに頑張ってもどんどん沖へと流されて行ってしまいます。なので、まずは離岸流から脱出することが望ましいです。離岸流から脱出することができたら砂浜へ向かって泳ぎましょう。
危険生物に遭遇
海中には色々な危険生物が生息しています。海でも陸でも同じですが、危険生物には自分から近づいたり触ったりしてはいけません。
オニダルマオコゼやオニヒトデやハブクラゲ、ウミヘビなど見た目で危険生物だと判断できればいいのですが、中には見た目が綺麗であったり可愛らしかったりと、とても危険生物には見えないのに、実際は猛毒をもった生き物もたくさんいます。見た目が可愛いからといって、むやみに触ったりしないでください。沖縄の海に生息する危険生物は以下のようなものがあります。
- ハブクラゲ
- カツオノエボシ
- オニダルマオコゼ
- ウミヘビ
- オニヒトデ
- アンボイナガイ
- ガンガゼ
- ヒョウモンダコ
- ゴンズイ
- ゴマモンガラ
- ハナブサイソギンチャク
- ラッパウニ
- ムラサメモンガラ
- ウツボ
- サメ etc…
この他にも危険生物は沢山生息しています。自分から近づかなくても、生物のほうから好奇心で近づいてきたりします。近寄ってきた危険生物に刺されてしまい、麻痺や痙攣、呼吸困難を起こし、溺れてしまうことがあります。なので、海の生物にむやみに接近したり触ったりしないように注意してください。
危険生物の写真は沖縄県のホームページをご覧ください。
シュノーケルクリアをしっかりと学んで!
シュノーケリング中に、波をかぶってしまい突然シュノーケリングの中に水が入ってきてしまう事があります。
その際、シュノーケリングの基本中の基本であるシュノーケリングクリアをきっちりと学んでいれば、対処できることですが・・・シュノーケリングクリアのやり方が分からないと、水が入ってきて、息が出来なくなってしまったことによりパニックになり、溺れて亡くなってしまう事があります。
シュノーケリングクリアとは、シュノーケリングの筒の中に水が入ってきた際に、息を思い切り噴き出して筒の中から水を出す方法です。
酸素をもったいぶって少ない息で吐きだしてしまうと、水全てを出し切れず、その後息を吸った際にその水が、口の中に入ってきてパニックになってしまう恐れがあります。なので、シュノーケリングクリアの際は、思い切り息を吐きだして水を出し切るようにしましょう。
事故に合わないためにできる対策
シュノーケリング中に事故に合わない為に、以下のような事を心がけましょう。
- ウェットスーツやライフジャケットを着用すること
- 海の生物にむやみに触らない
- クラゲ侵入防止ネットが張られていないビーチでは遊ばない
- 道具の正しい使い方を学び、基礎をしっかり覚える
- 慣れていない人はツアーで参加してインストラクターの指示に従う
- 体調が優れないときや睡眠不足のときなど、無理をしてやらない。
- お酒を飲んでいる時にシュノーケリングは行わない
体調が悪かったり、寝不足の場合でも「せっかく沖縄まできたんだから・・・」「お金出して予約しちゃったし・・・」と、無理をしてしまう事があります。
そういう考えが、後に取り返しのつかない事態につながってしまう可能性もあります。少しでも体の不調を感じる場合は無理をして海に入らないようにしましょう!
「今日じゃなくてもまた次回参加すればいい!」と考えを持つことが大切です。
キッズからシニアまで気軽に楽しむことのできるシュノーケリングですが、気軽に楽しめるからこそ見落とされがちな危険性も多いことを頭に入れておき安全に美しい沖縄の海を楽しみましょう。
シュノーケリングクリアのやり方が分からない方は、以下の動画をご覧ください。