小さいお子さんから、おじいちゃん・おばあちゃん世代にまで幅広く愛されている「いなり寿司」。各都道府県ごとに味付けや具材の有り無し、形などが異なるのでとても面白いです。そんないなり寿司ですが、沖縄にも「沖縄いなりずし」と呼ばれるものがあるのでご紹介していきたいと思います。
都道府県ごとに違いがあるいなり寿司!
行楽シーズンに突入し、女性の方はお弁当を作る機会も増えたのではないでしょうか?
手作りのお弁当と言えば・・・最近では様々なバリエーションも増えてきましたが、昔から根強い人気メニューの一つとして「いなり寿司」があげられます。いなり寿司は、老若男女問わず、昔から愛されているお寿司の一つです。
そんないなり寿司ですが、実は都道府県ごとに違いがあるって知っていましたか?もちろん、沖縄県にも「沖縄いなり寿司」なるものがあるんです!
関東・関西のいなりずしの違いとは?
いなり寿司と一口で言っても地方や都道府県によって、味や見た目、具材などが異なるって知っていましたか?
- 関東のいなり寿司
- 俵型:甘辛く煮た油揚げに酢飯を詰める
- 関西のいなり寿司
- 三角形:甘辛く煮た油揚げに具材を混ぜ混んだ酢飯を詰める
関東のいなりずしは、俵型で、甘辛く煮た油揚げに酢飯を詰めたものが一般的。酢飯ににんじん、しいたけ、れんこんなどの具材を混ぜることもありますが、ほとんどは何も混ぜない酢飯が主流なんです。
そして、関西のいなり寿司ですが、形は三角形で甘辛く煮た油揚げに、にんじんやしいたけ、ごぼうなどの具材を混ぜ込んだ酢飯を詰めるのが主流なのだそうです。
その他にも、油揚げを甘く煮て、酢飯も甘めに味付けされた甘×甘な組み合わせのいなり寿司が主流の県や、いなり寿司に辛子が入っている県など・・・都道府県によって個性があるのも、いなり寿司の面白いところです。
もちろん、沖縄県にもいなり寿司があり、他県とは違った特徴を持っているんです。
沖縄いなりずし発祥のお店「丸一食品」
沖縄のスーパーやコンビニなどでは、主に関東風のいなりずしが販売されています。
中には・・・「沖縄いなりずし」と表記された「いなり寿司」を販売しているスーパーや、いなりずし専門店もあるんです。
「沖縄いなりずし」の発祥は、うるま市にある「丸一食品」さんが元祖で、こちらのいなり寿司が人気になり、各地に広がったと言われています。
「丸一食品」さんが作るいなりずしは、三角形で薄い味付けの油揚げに、薄味の酢飯が詰めてあり、ゴマが少々振ってあります。
面白いのが・・・「丸一食品」さんは、いなりずしのお供で、なんと「フライドチキン」というのが定番なのだそうです!
フライドチキンは、濃い目の味付けで、ご飯が欲しくなる(すすむ)ような味!ニンニクも効いています。薄味でさっぱりとした「いなりずし」と、濃い味「フライドチキン」は食べれば納得の組み合わせです。
「丸一食品」さんってどんなお店?
元々、「丸一食品」さんは、氷やアイスキャンディーを扱うお店でしたが、後に食堂も開店させました。
その際、そばの付け合わせとして出されていた、巻き寿司やいなりずしが評判となり、清明祭(しーみー)や親戚などの集まりの時にいなり寿司や巻きずしの注文を受けるように・・・。
その結果、いなり寿司の製造で他の料理の製造が追いつかなくなり、メニューを減らし、現在のような営業スタイル(人気のいなりずしと相性の良いチキンのみの販売)になったそうです。
沖縄関連の書籍で読んだのですが、昔の沖縄には「おにぎり」の文化がなかったので、いなり寿司が爆発的に人気になったのだそうです。
そんな、丸一食品さんはうるま市に2店舗あります。観光スポットとして有名な海中道路の近くにもあるので、気になる方はぜひ立ち寄ってみてくださいね♪
丸一食品 本店
- 営業時間:9:00~17:00
- 定休日:月曜日
- 電話:098-978-3257
- 住所:沖縄県うるま市勝連平敷屋336
- 備考欄:海中道路のちかくにあります
丸一食品 塩屋店
- 営業時間:9:00~17:00
- 定休日:月曜日
- 電話:098-974-5550
- 住所:沖縄県うるま市字塩屋494-6
- 駐車場:あります
- 備考欄:MEGAドン・キホーテうるま店の近くにあります
今現在の沖縄のおにぎり文化
本土でのおにぎりの歴史は古く、弥生時代の遺跡からおにぎりが発掘されたんだそうで、これが最古のおにぎりと言われています。明治になって鉄道が開通し、初めての駅弁はおにぎりでした。おにぎりがポピュラーになったのは、白米が主流になった戦後のことのようです。
様々な書籍に目を通しましたが、沖縄県におにぎりが伝わったのがいつ頃の話なのかは・・・残念ながら今回は見つける事が出来ませんでした。
「琉球王国時代 ⇒ アメリカ統治時代 ⇒ 本土復帰」という歴史をたどってきた沖縄県。その為、琉球王国時代に伝わった中国の食文化や、アメリカ統治時代に伝わったアメリカの食文化、本土復帰後に伝えられた日本の食文化と・・・・様々な国の食文化が入り混じっているんです。
そんな沖縄県で、いなり寿司以外にも「沖縄ならでは」のおにぎりがあるのでご紹介したいと思います。
ポーク玉子おにぎり (ポータマ)
ポークとは、ランチョンミートのことで、卵焼きと一緒にごはんをはさんだ おにぎりです。これは、ハワイにあるスパム握りが移民によって伝わったという説もあります。
油みそ(アンダンスー)おにぎり
油味噌は、豚肉(三枚肉)と味噌、砂糖を油でいためたものです。ご飯のお供として人気で、そのままご飯にのせて食べたりもします。
多くのご家庭に常備されているほど、おにぎりとしては定番の具材なんです。
じゅーしぃおにぎり
沖縄の炊き込みご飯です。豚肉やにんじんなどの野菜を刻んで炊いたやさしい味のご飯で、握らずにそのまま食べることもあります。沖縄そば屋さんでは、おそばとセットになっていることも多いです。
上記のおにぎりは温かい方が美味しいので、コンビニで「おにぎり温めますか?」と聞かれるのは理解できます。ですが、沖縄では・・・具が鮭でも、ツナマヨでも具材が何であれ「温めますか?」と聞かれるので・・・沖縄に移住してきた当初はとても驚きました。
沖縄県民はあちこーこー(熱い、ほかほかの意味)が好きな県民性のようで、全てのおにぎりに対して「おにぎり温めますか?」と尋ねる文化があるそうです。
ポーク玉子おにぎり・油みそおにぎり・じゅーしーおにぎりは、手軽に入手できるので、沖縄でポピュラーなおにぎりを一度食べてみてくださいね。
フライドチキンを一緒に食べる前提で作られた「いなり寿司」と言っても過言ではないくらい・・・フライドチキンに合わせたような味つけなんです。