夏の風物詩の一つである「セミ」。全国各地、そこでしか出会うことができないセミが多く存在しているのはご存知でしょうか?沖縄県にも、ここでしか出会うことができない貴重な種類のセミが存在するんですよ。
もうすぐ梅雨明け!梅雨明けと共にセミの活動が始まる!
もうすぐ夏がやってきます。梅雨明けを知らせるかのように、蝉が鳴きだし・・・蝉の声を聞くだけでも「暑い!!」と感じさせるような季節の到来です。
夏の風物詩の一つでもあるセミですが、実は沖縄にしか生息していない種類がいるというのはご存知でしょうか?
夏休みに沖縄を訪れる予定がある方は、ぜひ沖縄でしか見る事の出来ないセミをお子さんと一緒に探してみてはいかがでしょうか?
沖縄でしか生息していないユニークなセミ達
沖縄でしか出会うことができない貴重なセミ達をご紹介していきたいと思います。どのようなセミがいるのか見ていきましょう!
イワサキクサゼミ
イワサキクサゼミについて
- 分類:クサゼミ属
- 大きさ:オス・メス共に1.5~2.5cmほど
- 生息地:沖縄本島や宮古、石垣、西表島
- 期間:3月頃~8月頃まで見つける事が出来ます
- 特徴:9:00~11:00頃に活発に活動する
イワサキクサゼミは沖縄本島や宮古、石垣、西表島に生息するセミです。
このセミ、本当に小さいんです。その全長はなんと1.5~2.5cm!!!!指の爪ほどの大きさで、普通のセミと比べ物にならないくらいの可愛さなんです。
イワサキクサゼミは、主にサトウキビやススキ、チガヤなどに生息していると言われています。昔は、サトウキビ畑ではあまり見る事がなかったそうなのですが、サトウキビを栽培する際に散布した農薬によって、イワサキクサゼミの天敵であるアリやクモがいなくなり、イワサキクサゼミの幼虫にとって生息環境がよくなってしまいました。
その為、現在ではサトウキビに害を与える害虫として知られるようになってしまっているそうです。
オオシマゼミ
オオシマゼミについて
- 分類:ツクツクボウシ属
- 大きさ:オス・メス共に5cm~5.5cmほど
- 生息地:沖縄本島中北部に多く生息
- 期間:8月末~11月下旬まで見つける事が出来ます
- 特徴:見た目がツクツクボウシに似ている
オオシマゼミは、沖縄本島や久米島、奄美黄島に生息するセミで見た目はツクツクボウシに似ています。
鳴き声は本土にいるセミとは全然違い、「ジジジジジ・・・・」の間に「カン」という甲高い鳴き方をするのが特徴だと言われています。変わった鳴き方をするセミは珍しいですよね。
【番外編】沖縄の人はセミを食べるって本当!?
「沖縄の人はセミを食べる」という話を耳にしたことはありませんか?
あるテレビ番組で沖縄出身のタレントの方が「沖縄県民は捕ったセミを調理して食べる!」と発言したことで、沖縄県民は「セミをおやつとして食べている」と勘違いされている方が多いようです。
実際にはセミを食べたことがある方は、ほんの一部で・・・しかもだいぶ昔のお話しなのだそうです。
筆者は生まれも育ちも沖縄県の那覇市ですが、今まで一度もセミを食べたことはありませんし・・・周り(友人や身内)などにも食べたことがある方は一人もいません。
テレビで発言されたことによって「沖縄県民は日常的にセミを食べている」という風に全国に伝わっていますが、実際には一部の方々の習慣・文化だったという事です。瞬く間に、この話が広まったという事は、日本国民としては「セミを食べる」という事がかなり衝撃的だったのでしょう・・・。
本当に、日常的に沖縄県民がセミを食べているのであれば、沖縄県内外問わず・・・どこの沖縄料理店に入っても「ゴーヤーチャンプルー」や「ナーベーラー(へちま)の味噌煮」「てびち(豚足)定食」と並んで、「セミのから揚げ定食」なんてメニューがあるはずです。実際には、そんなメニュー見たこともありません。。それが現実です。殆どの方が、セミは食べませんし・・・食べた事のない方が圧倒的に多いんです。
本土から移住してきた方に、結構な確率で「あなたもセミを食べるの?」と聞かれます。テレビの情報の影響で迷惑している沖縄県民も多いようです・・・。
セミを食べるようになったキッカケとは?
沖縄の一部の方がセミを食べていた大きなきっかけとしては、やはり戦後の食糧危機を乗り越える為だったのだそう。
琉球王朝時代から、中国の文化を多く取り入れていた沖縄県。戦後、セミを食べる中国の文化が一部に広がったとも言われています。
その為、セミを食べたことがあるという方は、おじいちゃん・おばあちゃん世代に多いようです。中には、おじぃ・おばぁから話を聞いて好奇心で食べてみた事のある中高年の方も。。
セミってどんな味がするの?
セミは、素揚げにするとカリカリサクサク食感でエビ系のスナック菓子のような感じなんだそうです。セミの幼虫は、ピーナツバターのような味がして濃厚なのだそう・・・。
また、セミをよく食べるという方のお話しでは、オスとメスでは味が違い、メスが美味しいのだとか・・・。
最近では、食糧難に備えて昆虫食を実践されている方も多いようです。素揚げにするとエビ系スナック菓子、幼虫がピーナツバター風味となると・・・食糧難になった際は、間違いなくセミは食料になるのではないでしょうか。イナゴだって普通に食べられているのですから、食べられないはずはない!・・・・ですが、かなり勇気はいりますね。。
夏休みの自由研究に沖縄のセミを調べてみては?
ここでしか出会うことができない貴重なセミがいる沖縄県。日本一小さいセミとして知られている「イワサキクサゼミ」は、一度は実物を見てほしい生き物でもあります。本当に小さくて、可愛いんですよ!
この夏、沖縄へ遊びに行く予定があるという方は、是非沖縄限定のセミを探してみるのもいいかもしれません。子どもたちにとっては、忘れられない思い出の一つになること間違いなしですよ!
筆者は小学生の頃に小さくて可愛いイワサキクサゼミに出会い、セミが好きになりました!見つけた時の衝撃は今でも忘れられません!