ウチナンチュと話をする時、話が盛り上がってくると混乱してくるのが、沖縄独特の方言。しかも、あまりにも理解できない言葉が多いため、会話の内容が全く頭に入ってこなくなることもよくあります。
とりあえず覚えておいた方がいい方言
ウチナンチュは、とても親切な人が多いです。ですから、相手が本土出身者で、沖縄の方言が分からないと認識していれば、標準語でお話しをしてくれます。ですが、パッションがあふれ出てしまう傾向が強い沖縄では、話が盛り上がってくると、つい方言が全開になってしまいます。
そんな時、せめてすこしでも会話の方向性を探ることが出来るようにするためには、ポイントとなる方言を知っておくことが必要です。
「自分」を表す言葉
自分を表す方言にも、今と昔では違いがあります。
男性が自分自身のことを表現する時に使うのが「ワン」です。「ワンがやった」といわれたら、「自分がやった」と自供していることになります。ちなみに、女性が使うこともできますが、かわいい顔をした女の子から「ワンが…」といわれたら、大抵の男性が引いてしまうのでご注意を!
後は注意したいのが「ワン」の複数形。これは、「ワンたち」ではなく、「ワッター」です。ですから、「ワッター自慢のオリオンビール」と大声でウチナンチュが語っていたら、その人は、「俺たちの自慢のオリオンビールだぜ!」といっているということになります。
最近ではあまり聞かなくなった表現
かつては自分のことを「ルー」と表現する人も見かけました。今では、沖縄県内でもほとんど耳にすることが無くなったように思えます。
同じく、「ドゥー」と言い方もありますが、こちらになると、若干使い方に応用がかかってきます。「ルー」は、自分自身のことを指すときに使いますが、「ドゥー」は、他人が相手自身のことを指す場合(「本人が」などのような場合)にも、使います。
相手を指す言葉
会話の途中で相手を指すときに使われる言葉をご紹介します。丁寧語と、あまり丁寧でない言葉があるので、うまく使い分けるようにしましょう。
ウンジュ(ウンジュナー)
ウンジュとは「あなた」という意味で、「あなた達」という複数形になると「ウンジュナー」という言葉に変わります。
ヤー(ヤッター)
ヤーという言葉は、沖縄の親しい者同士の間でよく使われている方言です。
「ヤー」とは、「おまえ・あんた」という意味。複数形になると「ヤッター」(お前たち・あんた達)という言葉に変わります。
あまり丁寧な言葉ではないので、親しい者同士の間で使われているのですが、あまり方言を知らない世代の子達は「あなた」という意味で使っている方も多いそうです。
性別を表す言葉
性別を表す言葉は、かなり種類があります。はっきり言って、方言にあまりなじみのない地域や若いウチナンチュはほとんど使うこともありませんが、50代以降の男性との会話ではちょこちょこ登場します。
- イキガ
- 男または男性のことを表します。表現としてはあまり使わないのですが、女性を表す言葉と対で覚えるようにしてください。ちなみに、複数形は「イキガンチャ」です。
- イナグ
- 女または女性のことを表します。とりあえず「イキガ」と「イナグ」の違いを理解するところから始めましょう。
続柄などの呼称を表す言葉
ウチナンチュとの会話では、続柄などの呼称を表す方言もちょくちょく登場します。
ウトゥ
訛りが強いと「オトー」にも聞こえますが、本来は「夫」を意味します。お父さんを表すのは「スー」ですが、どちらかというと、お父さんに対しても「オトー」と呼んでいる方も多いような気がします。
トゥジ
妻のことを言います。ただし、方言に耳が慣れていないうちは、「ツジ」と聞こえます。
もしも、ものすごい剣幕で「ヤーのトゥジよ!」といわれたら、「お前んところの嫁よ!」となります。要するに、あなたの嫁さんに対して、何か思うところがあるということですね。
ニイニイ・ネーネー
お兄さんのことを言います。ですから、お姉さんのことは「ネーネー」といいます。
これは、とっても便利な言葉で、年配の人を呼ぶ時に、「そこのおじさんとおばさん」というと誰も振り向いてくれませんが、「ニイニイターに、ネーネーターよ(そちらのお兄さん方・お姉さん方~)」というと、にこにこしながら振り向いてくれます。
ドゥシ
友人のことを言います。ウチナンチュに「あれはドゥシグワァだよ」と誰か別の人を紹介されたら、お友達を紹介されたと思って、フレンドリーに接しましょう。
ちなみに親友になると、「イードゥシ」になります。ですから、「ヤーはイードゥシどー」といわれたら、「君は僕にとって親友だよ!」ということになります。ぜひ、盛大に喜んでください。
シージャ
年上または先輩のことを言います。
年上の人を差し置いて生意気なことをすると、「ターがシージャか」といって怒られます。ちなみに、これは「誰が先輩か!(どっちが年上だと思ってるんだよ)」ということですので、結構厳しい意見です。
ちなみに、「ターが」は「誰が」という意味です。
ウマンチュ
間違っても「馬人」ではありません。ウマンチュは、「人々」という意味があります。
ですから、「ウマンチュ広場」と書かれている広場やお店は、「みんなが集まる場所になりますように」という意味が込められていると思ってください。
チャクシ
嫡子のチャクシです。ですから、長男のことを言います。
チョーデー
ホントよく使います。きょうだいのことを言います。
「イチャリバチョーデー」はあまりにも有名な方言です。初めて聞いた!という方は、下の記事も合わせてご覧ください。とりあえず知っておけば問題ない方言
他にも、ウチナンチュの会話でよく出てくるこんな方言には、ぜひ耳を傾けてください。割と大切なことを言っている場合があります。
ニービチ
結婚のことを言います。本来、沖縄流の結婚は、仏壇の前で行われていたため、結婚式は「筋をたてる」という意味もあって、「ニービチスージ」というようになったとも言われています。
まあ、若いウチナンチュの間では、あまり聞かなくなった方言ですね。
ヤナ
ヤナの反対は「チュラ」ですから、なんとなく意味が分かりますよね?そうです!ヤナは、悪いという意味があります。
ですから、「ヤナーよ」といって商品を返品されたら、「これ、不良品だったわよ」といって怒っていらっしゃるということです。気を付けてください。
ちなみに、「ヤナカーギ」は「ブサイク」、「ヤナワラバー」は「悪ガキ」となります。
ウヤファーフジ
「なんやねんそれ!」と思うかもしれませんが、これで「ご先祖様」となります。
もしも、仏壇のある家に招待された時に、「ウヤファーフジにウートートーしなさい」といわれたら、「ご先祖様に向かって手を合わせなさい」ということ。ぜひ従ってください。
わからない言葉は素直にわからないといいましょう
基本的に、沖縄の方言は、ウチナンチュであっても難しいものです。ですから、本土出身者が理解しているとはほとんどの人が思っていません。
だからこそ、知ったかぶりは危険です。分からない時は、素直にわからないといいましょう。
そして、気になる方言を耳にしたら、「今、その話に私はとっても興味があります」ということを態度を示しましょう。そうすれば、心優しいウチナンチュですから、あなたでもわかる言葉で説明してくれます。
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興味がある方は、ぜひどうぞ!ちなみに、私は娘とハマり、結構遊びましたよ!