本土とは異なる葬式事情。沖縄の香典相場やマナーについて

沖縄に移住するなら、ご近所付き合いも大切です。しかも沖縄では、親戚が沖縄に住んでいなくても、なぜか冠婚葬祭に出かけることが多い!ご祝儀にお香典など、何かと大変な沖縄の冠婚葬祭事情を解説します。今回はお葬式編です。

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沖縄は葬式事情も、本土とは少し異なる!

葬式

沖縄に移住したら、結婚式よりもお葬式への会葬が増えると思っていたほうがよいです。

「ゆいまーる精神」といって、沖縄では昔から相互扶助の精神が非常に強いため、今でも地域の方々が葬儀の手伝いに積極的にかかわってくるという地域が多いです。

都心部から離れるほど参列する回数が増える

都心部では、さまざまな場所から移り住んでくる人が多いため、本土の葬儀事情とほぼ変わらなくなってきました

葬儀専門のホールで通夜・葬儀まで行う人も多いですし、「家族葬」というスタイルで近親者のみの葬儀を行う家族も増えています。

ところが、都心部から離れた地域となると、今でも自宅で葬儀を行うというのが一般的な地域もまだまだあります。そのため、故人と直接かかわりがなくても、ご近所付き合いとして参列する人も少なくありません。

沖縄では一般でも通夜ではなく告別式に会葬する

葬儀

本土の場合、一般会葬者は通夜へ参列することが多いのですが、沖縄では、儀式として通夜式を行うことはほとんどありません。そのため、一般会葬者は、通夜ではなく、告別式に参列します。

ちなみに、沖縄では全国でも珍しい「骨葬」がメインのため、火葬後に告別式を行うことが主流です。さらに、告別式終了後に納骨まで済ませるのも一般的な流れです。

沖縄の香典相場とは?

香典袋

沖縄の香典相場も、結婚披露宴同様、故人とのかかわりや職場出の役職などを問わず、金額の相場は決まっています。

沖縄の香典の相場は、一律3000円です。これは、沖縄の葬送事情と関係しているので、次のことに注意する必要があります。

香典費用一律千円と決まっているエリアもある

千円

本土でも、昭和20~30年代では、虚礼廃止として葬儀だけでなく結婚式においても、経済的負担を減らすことを目的とした住民運動が広まりました。

この習慣を、今も守りながら地域内での経済的負担を軽減する活動を推進している地域があります。この場合、「香典返しナシ・香典一律千円」というのが徹底されています。

式場(自宅の場合は入り口)に、このような趣旨の看板が設置されている場合、その地域の住民は基本的に香典は千円となります。

生活改善地区でも香典費用を千円以上包むこともある

あくまでも、生活改善運動の地区に住む住民は、この趣旨に賛同しているため、香典は千円となりますが、地区外に住む人や職場関係者などの場合は、これに含まれません。

受付も、「字内(生活改善地区内)」または「生活改善」と「字外(生活改善地区外)」または「一般」の2つに分かれており、「字外」または「一般」で受付した場合は、返礼品が準備されているケースも増えてきました。

ですから、生活改善地区外から参列する場合は、一般的な香典の相場を参考に香典を包むようにします。

告別式・初七日・四十九日の3回弔問するのが一般的

沖縄では、初七日ならびに四十九日法要も、一般会葬者が弔問するのがマナーです。そのため、いずれのケースも香典の相場は3000円なのですが、すべて弔問すると、9000円となります。

さらに、故人や遺族との関係によって供花を準備することも一般的です。沖縄の供花は、1対ワンセットが基本で、1~2万円の範囲内で注文するのが一般的です。このように考えると、沖縄の香典費用はさほど安いとはいえません。

初七日・四十九日に弔問しない場合は、5000円以上が相場

五千円札

告別式・初七日・四十九日まで参列するのが一般的なので、法要への弔問を辞退する場合は、告別式の香典は5000円を目安に包むのが一般的です。

告別式と初七日のセットが主流

最近では、初七日法要当日に四十九日法要を繰り上げて行うケースも多く見られるようになってきました。

この場合、一般弔問の受付は初七日当日までとなります。基本的に香典の相場は変わりませんし、四十九日法要の香典を別途準備しなくてもマナー違反にはなりません。

沖縄の冠婚葬祭事情を知っておけば、移住後のご近所付き合いも安心

何しろ、沖縄は横社会といわれるほど、人とのつながりを大切にする気質があります。ですから、冠婚葬祭への参列する回数は、本土よりも格段に多くなります。

「喜びはみなで共有し、困ったときはみなで助け合う」

これこそが、沖縄の冠婚葬祭の根底にある「ゆいまーる精神」ということなのです。