沖縄人は、目鼻立ちがはっきりした「濃い顔」の人が多いです。そのため「薄い顔」といわれる本土人にとって、沖縄人の濃い顔に憧れる人も…。では、沖縄人の顔が濃い理由はどこにあるのでしょう?
顔つきから見る沖縄人の特徴
本土から移住したばかりだと、沖縄人の濃い顔に違いがあることはほとんどわかりません。でも、私の場合、本土から移住して長いということと、普段の活動範囲が沖縄本島全域であるということもあって、様々な地域に住む現地の沖縄人の顔を見てきました。
この経験から沖縄人の顔の濃さを観察してみると、沖縄人の顔の濃さにはきちんとした違いがあることに気が付きました。
眉毛が濃い
本土の人と比べて、全体的に毛深い沖縄人。そのため、男女問わず立派な眉毛を持っているのが特徴です。
沖縄の子どもたちを見てみるとわかることなのですが、毛深い遺伝子を引き継いだ場合は、眉毛も一緒に濃くなります。女の子であっても、きちんと処理をしてあげないと、気が付いたら眉毛がつながってしまいます。
ちなみに男の子の場合は、高校生になる前に口の周りに立派な髭が生えている子もいます。
団子鼻
濃い顔をしている沖縄人は、薄い顔の本土人よりも顔のパーツに注目が集まりがちです。そのため、どうしても目立ってしまうのが、沖縄人特有の団子鼻。
顔の濃さとしての特徴というよりは、沖縄人特有の顔の特徴なのだと思われます。
まつ毛が長い
沖縄人は目が大きいといわれていますが、実際に住んでいると、目が大きいというよりは、男女そろってまつ毛が長いという気がします。
まつ毛が長いうえに、二重まぶたが多い沖縄人ですから、本土人と比べるとより一層目が大きく見えます。
健康的な肌の色
これは、はっきり言って本土人目線ですね!そもそも肌の色が濃いのが沖縄人の特徴ではなく、沖縄に生まれてしまったための宿命というのが正しいです。
なにしろ、一年中強烈な紫外線にさらされ、家の中にいても日焼けをしてしまう環境にある沖縄では、日焼けをしたくなくても暮らしているだけで日焼けしてしまうのです。
美白にあこがれる沖縄人
沖縄の女性ほど、美白グッズにお金をかける人はいないはず。それほど、沖縄人にとって白い肌は憧れの存在であり、手に入れるためなら、どんな努力もお金も惜しみません。
なにしろ、私の知っている沖縄女性の中には、90歳を過ぎたオバーであっても、毎日、日焼け止めクリームとシミ予防のための美容クリームを欠かさないという筋金入りの人もいます。
さらに、小さい頃から美白意識が強い場合は、高校生なのに登下校では必ず日傘をさすというケースもよくあります。まあ、年齢問わず美に対する意欲が強いという点も、沖縄人女性の特徴の一つでもありますからね!
移住すれば2年目で日焼けしなくなる現実
実際に移住してみれば、本土人であってもこの状態になります。私自身、本土に住んでいた頃は、日焼けしたくてもできない体質でした。
だから日焼けオイルを塗っても肌は焼けず、ただ表面だけが一時的に赤くなり、寒くなればすぐに元に戻っていました。
そんな私でも、移住10年以上になると、一年中日焼け状態。しかも、冬になっても色は戻らず、いつの間にかファンデーションの色は、常に「日焼けした肌用ファンデーション」。
もちろん、夏に限らず年中日焼け止めクリームを欠かせないのに、この状態です。
沖縄人の顔が濃い理由はどこにある?
いよいよ、本題である濃い顔のルーツを探っていきましょう!
そもそも、沖縄人の顔が濃い理由を知るためには、沖縄人のルーツを調べることが、その秘密を解析する最も手っ取り早い方法だといわれてきました。そのこともあって、昔から沖縄人のルーツについて、多くの人が興味を持ち調べてきた歴史があります。
これまでの定説は中国・台湾ルーツ説
長い間、沖縄人のルーツは中国または台湾にあるといわれてきました。ただ、この説は、沖縄人の濃い顔をたくさん見てきた私には、ちょっとした違和感がありました。
団子鼻は確かに、中国や台湾の顔の特徴とよく似ています。ただ、沖縄人特有の濃い体毛や彫りの深い顔、長いまつ毛などは、どれも中国や台湾の人々の顔の特徴とは合致しません。でも、沖縄人のルーツが中国または台湾であるというこの説は、長い間、県内外で定説とされてきました。
沖縄人のルーツは日本本土に近い説
最も新しい研究では、これまで定説だった中国・台湾ルーツ説を覆す非常に興味深い研究結果が発表されました。
これは、琉球大学院・北里大学・統計数理研究所の共同研究チームが、2014年に発表したものなのですが、この研究によると、ヒトゲノムレベルで解析したところ、沖縄人のルーツは、中国や台湾ではなく、日本本土に近いことが分かったというものです。
この研究によって、沖縄諸島の主要な祖先が中国・台湾ではない可能性が高いと推測されました。もちろん、この説の正当性を唱えるには、今後さらなる精査が必要とされているようですが、この研究が発表された直後は、沖縄中のメディアがこの新しい研究成果を一斉に取り上げて報道していたことを、今でもよく覚えています。
「沖縄人が日本人のルーツ説」というのもある
沖縄人のルーツは日本本土に近いと紹介したばかりなのですが、沖縄には、逆バージョンである「沖縄人が日本人のルーツ説」というのも存在します。これは、沖縄で発見された旧石器時代の人骨化石・港川人に関する研究から導き出された説です。
写真掲載ページ:ガンガラーの谷ツアー体験レビュー
港川人は、今から1万8千年前の人骨化石です。港川人の人骨化石は、これほど古い時代のものであるにもかかわらず、体全体の形が分かる状態で残っていました。このことは、日本国内で発見されているこの時代の人骨化石では、港川人以外に例がありません。
ちなみに、港川人の顔の特徴は、彫りが深く、頬骨が張っていて、鼻筋が高いのが特徴。これは、現代の濃い顔系沖縄人の特徴ともよく似ています。
となると、ちょっとややこしくなりますよね?だって、濃い顔の特徴を持っている港川人のルーツも日本人にあるのだとすれば、「もともとの日本人は顔が濃かった」ということも考えられます。
切れ長の目と小さなパーツが特徴である平安時代の貴族の姿が、もしも濃い顔代表である沖縄人のようであったとしたら、紫式部が描いた『源氏物語』も全く違ったものに仕上がっていたかもしれません。これは、ちょっと面白い!
ルーツ以外で沖縄人の顔の濃さの理由を探る
現時点では、沖縄人のルーツが沖縄人特有の顔の濃さの理由であるとは言い切れないようです。そうはいっても、沖縄人は本土人と比べて濃い顔が多いのが特徴です。
そこで今度は、沖縄人のルーツ以外で顔の濃さの理由を探ってみます。
沖縄の暑さが顔の濃さの秘密だった?
沖縄の日照時間は、本土と比べると非常に長いです。これに加えて、一年のほとんどが本土の夏のような気候の沖縄では、温暖というよりは熱帯地方というのがピッタリ。
そんな暑い沖縄で、外気や暑さから身を護るための防衛本能として毛が濃くなったという説があります。
人間の体には、頭の先から足の先まで皮膚で覆われています。その皮膚を守るための大切な役割がある体毛ですから、自然と身体だけでなく顔のパーツも毛深くなっていったということなのでしょうか?
長いまつ毛は目を保護するためだった?
瞳は、直接外気に触れてしまうとってもデリケートな部分。ですから、沖縄の直射日光が直接目に入ってしまうと、目を傷めてしまう危険があります。
そんな強烈な直射日光から瞳を守るために、沖縄人のまつ毛は本土人のまつ毛と比べて長くなったのだといいます。
国際結婚率が高い
日本人離れした沖縄人の顔は、国際結婚によって外国人の血をひく子供が本土と比べて多いからではないかという説もあります。
たしかに、本土と比べると沖縄での国際結婚は多いです。ただ、これが沖縄人特有の顔の濃さの原因にあるならば、沖縄人の半数以上がハーフまたはクォーターでなければ不可能です。
この説には、沖縄出身でオリエンタルな顔立ちをした美男・美女には、外国人の血をひく人が多いというところに話の発端があるような気がします。
最近は、顔の薄い沖縄人も多くなってきた
外国人の血をひく子孫の割合はさておき、本土人の血をひく子孫の割合は確実に高くなってきました。
本土復帰以降、パスポートなしでも本土へ自由に移動が出来るようになった沖縄では、進学や就職を機に本土に移住をする人が急増増しました。またこれと比例するように、本土から観光のために沖縄を訪れる人の数も増えました。
こうしたこともあって、沖縄人と本土人の結婚率は本土復帰前と比べて格段に上がりました。さらに、本土出身者であっても、沖縄移住によって、その子孫に沖縄人の血が混じるようになることも、それほど珍しいことではなくなりました。
なにしろ、本土出身の両親であっても、移住先の沖縄で子供が生まれれば、子供は沖縄で成長していきます。その子が成人して沖縄人と結婚すれば、めでたく沖縄人と本土人のハーフが誕生します。
こう考えてみれば、沖縄人なのに顔が薄い沖縄人が増えてきたことに、本土人の沖縄移住が関係していると言えるかもしれません。
ちなみに、本土人と沖縄人のハーフである私の子どもは、沖縄人ならではの立派なまつ毛をお持ちになって生まれてきました。まつ毛エクステに手を出さなければ、憧れのまつ毛カーブを手に入れることが出来ない本土人の私にとっては、「わが子ながらとっても羨ましいやつ!」と陰で嫉妬しています。