新型コロナの影響で、沖縄県内における子供の学びの場も大きく変わりました。そんな沖縄で今注目されているのが「教科書を使わず子供の知性を伸ばす」という教育を実践する沖縄シュタイナー学園です。2022年4月に開校する沖縄シュタイナー学園とはいったいどんな学校なのでしょうか?
沖縄シュタイナー学園とは?
沖縄シュタイナー学園は、小中一貫の全日制フリースクールです。
沖縄県内の公立小中学校に通えない子供の学習の場として、一般社団法人「沖縄子供と先生を元気にする会」が運営します。
現在は本格的な開校に向けて準備を行っているところで、2022年4月に沖縄本島南部の南風原町に開校を予定しています。
沖縄シュタイナー学園は「シュタイナー教育」を実践する学校
沖縄シュタイナー学園では、ドイツで提唱されたシュタイナー教育を実践する学校です。
シュタイナー教育を実践する学校は「シュタイナー学校」と呼ばれ、現在では世界60か国以上に1000校以上が存在します。
もともとドイツで提唱された教育理念に基づいているので、ヨーロッパを中心に南・北アメリカやオセアニア地域で拡大してきました。
すでに100年以上の歴史を持つシュタイナー教育は日本でも浸透しており、「日本シュタイナー学校協会」という組織があります。
子供が自分で教材ノートを作るのが特徴
沖縄シュタイナー学園は「子供が自分で教材ノート(教科書)を作る学校」だと言われています。
一人ひとりの個性を尊重し、自由な生き方でこれからの社会を生き抜く力を身に付けることが教育目標にあるので、学力や子供の評価を点数化しません。
知識を詰め込むだけの教育ではなく、沖縄の自然に触れ合う時間や沖縄の文化・歴史を、体験をもとに学ぶカリキュラムを重視しています。
- エポック授業
- 体験や学びを通して自分自身で教材ノートを作る
- 専科授業
- 外国語
- 体育
- 音楽
- 野外授業
- 乗馬
- 畑仕事
- 社会見学
- 自然・歴史探索 など・・・
担任教諭は原則持ち上がり制
小中一貫教育の沖縄シュタイナー学園では、小学校6年間と中学校3年間の合計9年間を、原則同じ教諭が担任として子供たちに向き合います。
沖縄県内でも小中一貫教育を実践している学校はありますが、小学校と中学校では担任教諭が変わるのが一般的ですし、9年間同じ担任教諭が子供の成長を見守るというシステムは沖縄初といってもよいでしょう。
もちろん担任教諭としての役割は一般的な公立小中学校とは大きく異なりますし、負担も大きくなります。
そのため沖縄シュタイナー学園では、元大学教授や元小学校教諭の組織「沖縄子供と先生を元気にする会」が準備室を立ち上げ、新年度から実際に子供たちの教育に関わる教員の養成を行っています。
学級定員はなんと10名のみ!
教科書を使わず9年間原則同じ担任教諭のもとで学びを進めていく沖縄シュタイナー学園は、学級定員を10名に設定しています。
ですから、少人数制で子供たちの個性に合わせた学びの場を提供できるところが魅力です。
高校受験はできるの?
沖縄シュタイナー学園はフリースクールです。そのため子供の籍は、県内の小中学校に置きます。
現在のところ沖縄シュタイナー学園の教室は、南風原町宮平にある沖縄ベタニヤチャーチの一角を使用する予定です。ですから、生徒たちは公立小中学校に籍を置きつつ、南風原町内にある沖縄シュタイナー学園で学校生活を送ります。
小中一貫校のフリースクールですが、中学卒業時に高校受験ができるようカリキュラムを組んでいるのが特徴です。
【まとめ】個性を尊重するために誕生した学校
沖縄シュタイナー学園という県内初となる小中一貫校を開校するきっかけは、「学びの場に多様な選択肢を設けたい」という想いがあります。
人には個性があり、その個性が尊重されることがこれからの日本を支える子供にとって重要な意味を持ちます。
ただし現在の公立小中学校では、個性よりも協調を重視する傾向が強いです。そのため不登校や引きこもりなどによって学校に行きたくても通えない子供たちは、自分たちの個性を認めてもらいつつ学習する環境がほとんどありません。
そこで学びの場の多様性を広げることと、学習意欲があっても学ぶことができない子供たちの受け皿として立ち上げたのが「沖縄シュタイナー学園」なのです。
少人数制クラスで一人の担任教師が9年もの間 見守ってくれます。
さらに、自分の個性を伸ばし、尊重してくれる沖縄シュタイナー学園は、通う子供たちにとって素晴らしいの環境となる事でしょう。