みなさんは模合(もあい)という言葉を耳にしたことがありますか?沖縄の方であれば、親が模合をやっていたこともあり、小さいころから馴染みのある文化の一つですよね。沖縄に移住を考えている方にはぜひ知っていてほしい沖縄の文化の一つです。模合とは、いったいどんなものなのか見ていきましょう!
沖縄の風習、摸合(もあい)について
日本であったとしても、その地域ごとに行われる「風習」というものがありますよね。
ビックリするようなことが当たり前のように行われている場合も少なくありません。 特に日本の中でも沖縄には、本州の人が驚くようなことがたくさんあると言われています。 沖縄では当たり前のことであっても、本州の人にとっては「それ何!?」とビックリしてしまうこともあるんです。
そんな沖縄ならではの風習のひとつとして、摸合(もあい)というものがあります。
「摸合(もあい)」というと、モアイ像を思い浮かべる人がほとんどだと思います。 しかし、沖縄ではこの摸合(もあい)が当たり前のように行われていて、沖縄に移住するにあたっては友好関係を深めることができる方法と言っても良いでしょう。 では、摸合(もあい)とはいったい何なのでしょうか?
摸合(もあい)のルールを知っておこう!
模合のルール
- 一人当たりの手出し金を決める。相場は一人1万円
- 毎月順番にお金を受け取る
- 「毎月第○土曜日は模合の日」と日付を決めているグループが多い
- お金の集金は直接飲み会で行われる場合と、振り込みのパターンがある
「摸合(もあい)」は、友人や親族によるグループ内で一定のお金を出し合い、集まったお金を定期的にひとりずつ順番に受け取っていきます。
たとえば、友人5人で摸合(もあい)をするとなったとき、毎月ひとり1万円という金額を決めるとします。 1か月で5万円が集まりますが、これをメンバー5人が毎月順番にもらっていく・・・というわけです。
金額や期間、メンバーの数やメンバーとの関係などはそれぞれの摸合(もあい)によって違ってきますが、友人・家族・職場などなど、いろんなグループで摸合(もあい)が行われます。
お金をもらえるメンバーはその月にまるまるそのお金をもらうことができますので、その月に冠婚葬祭や車検、イベントごとなどで出費があるというときには大助かり!
もちろん次の月にはまたお金を集められることにはなりますが、「助け合い(ゆいまーる)」の精神が強い沖縄ならではのちょっと変わった金融システムとなっているんです。
職場などではもちろんですが、親族や仲の良い友人同士で行われることが主なので、先ほど述べたように「今月は冠婚葬祭があるからちょっと・・・」というときに相談すると、お金を受け取る順番を変える事も可能です。こちらもまた、助け合いの沖縄ならではですね。
模合と積み立てを同時に行っているグループも多い!
中には、模合と同時に積み立てを行っているグループもあります。
例えば1万円模合の場合だと、1万円のうち3千円は積み立て分、7千円が模合金と決め、、毎月の積み立てでたまったお金で模合メンバーで旅行へ出かけたり、夏はペンションを借りてBBQ・・・と、模合メンバー間でのイベントに使うお金をうまく貯めながら、お金を回しているグループも多いんですよ。
摸合(もあい)が行われる理由とは?
摸合(もあい)の仕組みはわかりましたが、この模合はいったい何のために行われているのでしょうか?摸合(もあい)をするなら、別に集まらなくても銀行にそれぞれがお金を積み立てていけば良いじゃないと思いませんか?
しかし、模合をする本当の意味とはそうではなく、月に1回、2~3か月に1回でも模合をするということで友人同士が集まり、交流をするということが目的となっています。
模合をするという口実で仲の良い友人たちと毎月顔を合わせて飲み会をする、これを続けていくことでどんどん友人同士の絆が深まっていくことになります。 そのため複数の模合を掛け持ちして行っているという人も多いですし、模合をすることであちこちに顔を出して、たくさんの人と友好関係を築いていくことができるというわけなんですね。
沖縄ではこうした横のつながりが強く、模合の仲間はとても心強い味方となってくれるはずですよ。
沖縄には摸合(もあい)専用の帳簿がある!?
ちなみにこの模合ですが、誰が・いつ・いくら払った・いくら受け取った…ということがわからなくなってしまわないよう、家計簿のような「模合帳」をつけることが多いんです。
見た目は本当に家計簿のよう。 日付・氏名・受け取ったか支払ったか・金額などをメモできる、模合専用の帳簿となっています。どこのお店でも購入できるというわけではなく、沖縄の企業(メイクマン・サンエー)などで見かける事があります。
最近では摸合帳簿の代わりに、ノートにメモを取っている方や、スマートフォンのアプリを利用するなど、最近ではより手軽に情報管理が行われるようになっています。
模合(もあい)を始めるなら、信用できる人と・・・
模合を始めるに当たって、とても大切なことがあります。 模合は、絶対に信用ができる(お金に対してルーズではない)人と始めましょう。誰彼構わずに模合を始めてしまうと、お金を持ち逃げされてしまうことがあります。
実際に、沖縄の裁判所では多くの模合に関する事件も扱っていますし、模合金持ち逃げに関して弁護士事務所へ相談に訪れる方も多いと聞いています。
親族間の模合であっても持ち逃げする方もいるようなので、他人である友人同士の模合・・・となると「絶対に信用できる!」と断言できるような友人でないと危険を伴うという事になります。
誰でもいいから適当に始めてしまうと後々痛い目に合ってしまうことがありますので、信用できる仲間とだけ模合を始めるようにしましょうね!
模合の仕組みをしっかりと理解して、沖縄の人たちと友好関係を深めるためにも模合のグループにぜひ参加してみてくださいね。